モデルケース2026年10月21日
会議の議事録を、AIで月20時間から5時間に。録音から要点・決定事項・宿題まで。聞き直しのいらない議事録の作り方
会議が終わったあと、録音を聞き直しながら議事録を書く。1時間の会議に、議事録づくりでもう1時間以上かかる――そんな会社は少なくありません。この記事では、会議の録音からAIで議事録の下書きを作り、決定事項と宿題(ToDo)まで整理する方法を、モデルケースで紹介します。
- 会社
- M精工/地方都市の金属加工メーカー
- 規模
- 従業員45名、総務2名
- 困りごと
- 工程会議・安全衛生委員会・取引先との打合せの議事録を総務が作成。録音の聞き直しに時間がかかり、月約20時間
- 対象の業務
- 社内会議と打合せの議事録、決定事項と宿題の共有
困っていたこと
- 議事録づくりに月約20時間
- 聞き直しで1回1時間半
- 宿題が共有されず抜ける
やったこと
- 録音を文字にしてAIに渡す
- AIが議事録の形に整える
- 宿題を担当・期限つきで一覧に
変わったこと
- 議事録が月約5時間に
- 会議当日に共有できる
- 宿題の抜けが減った
議事録づくりが負担になる理由
M精工では、週1回の工程会議、月1回の安全衛生委員会、取引先との打合せのたびに、総務の担当者が議事録を作っていました。会議中はメモを取りきれないため、録音を聞き直して書き起こすのが当たり前になっていました。
聞き直しに時間がかかる1時間の会議でも、聞き直して書き起こすと1時間半かかる
共有が遅れる議事録が出るのは数日後。その間に話の記憶が薄れる
宿題が抜ける「誰が・いつまでに」がはっきりせず、次の会議で同じ話をくり返す
いちばん困っていたのは、決まったことや宿題がうやむやになることでした。議事録が遅れると、担当者が自分の宿題に気づかないまま次の会議を迎えてしまいます。
AIを使った新しい流れ(5ステップ)
ポイントは、「書き起こす」作業をなくすことです。録音を文字にする作業と、それを議事録の形に整える作業をAIに任せ、人は中身の確認だけを行います。
会議を録音スマホや会議ツールで
文字にする文字起こし機能を使う
AIが整える議事録と宿題の一覧に
担当者が確認数字・名前・決定事項
その日に共有いつもの方法で
これまで録音を何度も聞き直して書き起こし。議事録が出るのは数日後。
AI導入後AIが議事録の下書きを作り、担当者は確認するだけ。会議の当日に共有。
録音は、スマホのボイスメモでも、オンライン会議ツールの録画でも構いません。最近はスマホや会議ツールに文字起こしの機能が付いているものが多く、録音と同時に文字にしておけます。
文字起こしが、整った議事録になる
文字起こしは、話し言葉のままで読みにくく、話があちこちに飛びます。AIに渡すと、議題ごとに話をまとめ、決定事項と宿題を分けて整理してくれます。
話し言葉の文字起こしを、AIが議事録と宿題の一覧に整える
ここがポイント
いちばん役に立つのは「宿題の表」です。担当者と期限が一覧になっていれば、次の会議は宿題の確認から始められます。会議の最後に「では宿題を確認します」と口に出して読み上げておくと、AIがより正確に拾ってくれます。
AIへの頼み方の例
AIへの頼み方(例)
次の会議の文字起こしをもとに、議事録を作ってください。
形式
1. 会議の概要(日時・参加者・議題)
2. 議題ごとの要点(各3〜5行)
3. 決定事項(箇条書き)
4. 宿題(担当/内容/期限 の表)
5. 次回に持ち越す議題
ルール
・文字起こしにない内容は付け加えない
・聞き取れていない部分や、あいまいな数字は【要確認】と書く
・人の名前は文字起こしのとおりに書き、推測で変えない
(ここに文字起こしを貼り付け)
会議の種類ごとに頼み方を決めておくと、議事録の形がそろいます。取引先との打合せなら「先方の要望」と「当社の回答」を分ける、委員会なら「報告事項」と「審議事項」を分ける、といった具合です。
どれくらい時間が減ったか
M精工の会議は月13回ほど(工程会議4回、安全衛生委員会1回、取引先との打合せ8回)。1回あたりの議事録づくりの時間で試算すると、次のように変わります。
人件費込みの時給2,500円で換算すると、月約3万7千円、年約45万円分の時間です。時間は当社の試算で、会議の回数や長さによって変わります。
時間が減っただけでなく、議事録を会議の当日に共有できるようになりました。宿題の表を次の会議の最初に確認する習慣ができ、同じ話をくり返すことが減っています。
注意点と、続けるコツ
参加者に伝えずに会議を録音する
会議の最初に「議事録のために録音します」と伝え、了承をもらう
AIの議事録を、確認せずにそのまま配る
数字・日付・人の名前・決定事項は、会議に出た人が必ず確認する
取引先の機密情報を、個人向けの無料版AIに入れる
学習に使われない法人向けプランを使い、社外秘の扱いを社内ルールで決めておく
始めるときは、まず社内の定例会議1つで試すのがおすすめです。形が決まったら、委員会や取引先との打合せに広げていきます。AIに入れてよい情報の決め方は、AIのセキュリティとデータ管理の記事で詳しく紹介しています。
よくある質問
文字起こしはどうやってするのですか?
スマホのボイスメモや、オンライン会議ツール(Google Meet、Zoom、Teamsなど)に付いている文字起こし機能を使うのが手軽です。使う機能や設定は会社の環境によって違うので、無料診断で一緒に確認します。
方言や専門用語が多い会議でも使えますか?
文字起こしに多少の聞き間違いは出ますが、AIが前後の話から整えてくれます。よく出る製品名・取引先名・社内の用語を一覧にしてAIに渡しておくと、さらに正確になります。
取引先との打合せも録音してよいですか?
録音する場合は、打合せの最初に目的を伝えて先方の了承を得てください。了承が得られない場合は、メモをもとにAIで議事録を整える使い方もできます。
※本記事の会社名・数値は、導入の流れを説明するためのモデルケースです。
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