活用事例2026年10月15日

現場日報を、話すだけで。月58時間から18時間に。書くのが苦手な職長も、スマホの音声入力とAIで日報が仕上がる

現場の職長がスマホに話した内容を、AIが作業日報に整えるイラスト

工事現場の日報は、会社にとって大切な記録です。ところが、現場を終えた職長が事務所や車の中で書くことが多く、「書くのが面倒」「中身が人によって違う」という悩みがつきものです。この記事では、スマホの音声入力とAIを使って、現場日報を「話すだけ」で仕上げる方法を、モデルケースで紹介します。

会社
E設備工業/地方都市の設備工事会社(電気・空調・給排水)
規模
従業員30名、職長8名
困りごと
職長が毎日の日報に1人約20分。事務員が日報から工数を集計する作業にも月約10時間
対象の業務
作業日報工数の集計ヒヤリハットの記録
使ったもの
スマホの音声入力、今の日報のひな形(Excel)、AI「Claude(クロード)」

困っていたこと

  • 日報に職長8名で月約58時間
  • 書く内容が人によって違う
  • 集計・転記にも手間

やったこと

  • 日報はスマホに話すだけ
  • AIが項目ごとに整える
  • 集計用の表も同時に作る

変わったこと

  • 日報が月約18時間に
  • ヒヤリハットの記録が増えた
  • 年約144万円分の時間が浮く

現場日報が負担になる理由

E設備工業では、職長が毎日、作業内容・人員・進捗・翌日の予定・安全上の気づきを日報に書いています。どれも大切な情報ですが、1日の仕事を終えてから書くのは、正直なところ大きな負担でした。

夜に書く現場が終わってから事務所や車の中で書くため、帰りが遅くなる
中身が人によって違う書くのが苦手な職長ほど短くなり、大事な情報が抜ける
集計が大変事務員が日報を読み、工事ごとの工数を別の表に転記している

特に困っていたのが、ヒヤリハットの記録です。書く手間が大きいと、「小さなことだから」と書かずに済ませてしまいがちです。

AIを使った新しい流れ(5ステップ)

ポイントは、職長は「書く」のではなく「話す」こと。整理と清書はAIに任せます。話すのは、現場を出る前の2〜3分で十分です。

  1. 話して入力スマホに2〜3分
  2. AIが整える項目ごとの日報に
  3. 職長が確認数字と名前を見る
  4. 事務所と共有いつもの方法で
  5. 工数を集計AIが表にまとめる
現場から事務所に戻り、夜に手書きで日報を書く職長のイラスト
これまで現場から戻ってから、夜に日報を手書き。疲れていると内容も短くなる。
現場でスマホに話すだけで日報を済ませる職長のイラスト
AI導入後現場を出る前にスマホに話すだけ。AIが日報の形に整えてくれる。

話した内容が、整った日報になる

話し言葉のままで構いません。「えーと」や話の順番がばらばらでも、AIが日報の項目ごとに整理してくれます。

話し言葉のままの内容を、AIが項目ごとの作業日報に整えるイラスト
話した内容を、AIが日報の項目に振り分ける
ここがポイント

話すときは「今日やったこと」「何人で」「どこまで進んだか」「明日やること」「ヒヤッとしたこと」の5つを順に話す、と決めておくと、抜けのない日報になります。ヘルメットのステッカーなど、目に入るところに5つを書いておく会社もあります。

AIへの頼み方の例

AIへの頼み方(例) 次の話し言葉の内容を、作業日報の形に整えてください。 項目:工事名/作業内容/人員(人数と協力会社)/進捗(%)/明日の予定/ヒヤリハット・安全上の気づき ルール ・話していない内容は付け加えず、分からない項目は「記載なし」としてください ・ヒヤリハットがあれば、原因と対策の案も1行ずつ書いてください ・最後に、工数集計用に「工事名/日付/職種/人数」を1行の表でも出してください

毎日同じ頼み方を使うと、日報の形がそろい、事務所での集計もしやすくなります。スマホから使えるように、頼み方をメモアプリなどに保存しておくと便利です。

どれくらい時間が減ったか

職長8名が月22日、日報を書くとして試算すると、次のように変わります。

作業これまで(時間/月)AI導入後(時間/月)
日報を書く(職長8名)5818
日報の集計・転記(事務)102
合計6820

人件費込みの時給2,500円で換算すると、月約12万円、年約144万円分の時間です。時間は当社の試算で、現場の数や日報の形式によって変わります。

書く手間が減ったことで、ヒヤリハットの記録が以前より増えました。小さな気づきが集まるようになり、朝礼で共有する話題も具体的になっています。

注意点と、続けるコツ

失敗例AIが整えた日報を、確認せずにそのまま提出する

避け方人数・進捗の数字と、協力会社の名前だけは職長が必ず確認する

失敗例最初から全員に一斉に始めさせる

避け方まず1〜2名の職長で試し、使い方のコツを社内で共有してから広げる

失敗例騒がしい現場の真ん中で話す

避け方車の中や休憩所など、少し静かな場所で話すと聞き取りの精度が上がる

よくある質問

方言や専門用語でも聞き取れますか?

多少の聞き間違いはありますが、AIが前後の文脈から整えてくれます。よく出てくる用語や協力会社の名前を一覧にしてAIに渡しておくと、さらに正確になります。

今の日報の書式はそのまま使えますか?

使えます。今お使いの日報の項目をAIに伝えれば、その形に合わせて整えます。書式を変える必要はありません。

スマホが苦手な職長でも使えますか?

やることは、録音ボタンを押して話すことだけです。最初の1週間ほど、事務所の担当者がそばで手伝うと、多くの方がすぐに慣れます。

※本記事の会社名・数値は、導入の流れを説明するためのモデルケースです。

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