基礎知識2026年10月28日
AIへの「会社の説明」は、1枚のメモで済ませる。「前提メモ」の作り方と7つの項目、育て方
「うちは設備工事の会社で……」「お客様にはこういう言い方で……」。AIに仕事を頼むたび、こんな前置きから打ち込んでいる方は多いはずです。毎回の説明が面倒になって、「結局、自分でやったほうが早い」とAIから離れてしまう人は少なくありません。この記事では、会社の事情を1つのメモにまとめてAIに渡す「前提メモ」の作り方を紹介します。書く項目のひな形、作り方の手順、主なAIサービスでの使い方、育て方までまとめました。
困っていること
- 毎回、会社の説明から始まる
- 人によってAIの答えがばらつく
- 直した点を次も直している
前提メモとは
- 会社の事情をまとめた1枚
- AIに最初に読ませる
- 全員で同じものを使う
変わること
- 説明の手間がなくなる
- 誰が頼んでも同じ品質に
- 使うほど手直しが減る
なぜ毎回の説明が必要になるのか
AIは、話しかけられた内容だけを手がかりに答えます。新しい会話を始めると、前の会話で教えた会社の事情は、基本的には引き継がれません。そのため、毎回「うちの会社は……」と説明しないと、一般的で、どこの会社にも当てはまるような答えが返ってきます。
説明のくり返し会社の業種、お客様、書き方の決まりを、毎回打ち込んでいる
人によって違う説明のしかたが人ごとに違うので、AIの答えもばらばらになる
同じ直しを何度も「様」ではなく「御中」、などの直しを、毎回手でしている
この手間をなくすのが「前提メモ」です。新しく入った社員に渡す「会社の手引き」のようなものを、AI向けに1枚にまとめておき、最初に読ませます。
ここがポイント
前提メモは、AIのためだけのものではありません。書き出してみると、社内で言葉の使い方や書き方の決まりがそろっていないことに気づくことがよくあります。前提メモづくりは、社内の決まりごとを見直すきっかけにもなります。
前提メモに書く7つの項目
項目は多すぎると、かえってAIが迷います。次の7つを、A4で1〜2枚に収めるのが目安です。
前提メモを1枚にまとめ、全員が同じものをAIに渡す
前提メモの作り方(4ステップ)
材料を集める手引き・書類の見本
AIで下書き7項目に整理
みんなで直す言葉をそろえる
置き場所を決める全員が使える所へ
これまでAIに頼むたびに、会社の説明を一から打ち込む。
AI導入後前提メモを渡すだけ。すぐに本題に入れる。
1. 材料を集める:新人向けの手引き、よく出す書類の見本、お客様への送り状などを集めます。ゼロから書くより、今ある書類から拾うほうが早く、実態に合ったメモになります。
2. AIで下書きする:集めた書類(個人情報や金額は消しておく)をAIに渡し、7つの項目に整理してもらいます。次の章で頼み方を紹介します。
3. みんなで直す:下書きを、実際にAIを使う人たちで読み合わせます。「この呼び方は現場では使っていない」「この書類は項目が古い」といった直しが必ず出てきます。4. 置き場所を決める:社内の共有フォルダなど、全員が同じ最新版を使える場所に置き、更新した日をメモの先頭に書きます。
AIへの頼み方の例
AIへの頼み方(例)
当社の「前提メモ」を作りたいです。前提メモとは、AIに仕事を頼む前に最初に読ませる、会社の事情をまとめた文書です。
下に、当社の手引きと書類の見本を貼ります(個人名と金額は消してあります)。これを読んで、次の7項目でA4・1〜2枚にまとめてください。
1. 会社のこと 2. お客様と取引先 3. 社内の言葉 4. 書き方の決まり 5. よく作る書類 6. AIに守ってほしいこと 7. 書かないこと
・資料から読み取れないことは推測せず、【要確認】として質問の形で残してください
・箇条書きで、短く書いてください
(ここに手引きと書類の見本を貼る)
できあがった前提メモは、仕事を頼むときに、次のように最初に貼って使います。
AIへの頼み方(前提メモを使う)
以下は当社の前提メモです。この内容を守って、あとの依頼に答えてください。
【前提メモ】(ここに貼る)
依頼:次の点検結果から、管理会社あての報告メールの下書きを作ってください。
(ここに点検結果を貼る)
主なAIサービスでの使い方
毎回貼るのが手間な場合は、AIサービスの「あらかじめ読ませておく」機能を使うと便利です。名前や画面はサービスや契約プランによって違い、変わることもあるので、使っているサービスの案内で確かめてください。
前提メモを人ごとに作り、それぞれ少しずつ違う
会社で1つの前提メモを作り、全員が同じ最新版を使う
思いつくことを全部書き、10枚を超える
7項目でA4・1〜2枚。仕事ごとの細かい決まりは別のメモに分ける
お客様の名前や取引の金額まで書き込む
個人情報・パスワード・金額は書かない。必要なときにその場で伏せて渡す
育て方と、書いてはいけないこと
前提メモは、一度作って終わりではありません。AIの下書きを直したら、その直し方を前提メモに1行足す。これをくり返すと、同じ直しを何度もしなくて済むようになります。月に1回、担当者を決めて、古くなった所を見直しましょう。
一方で、前提メモには個人情報、パスワード、取引の金額、まだ公表していない話は書かないでください。前提メモは何度もAIに渡し、社内で共有するものです。「誰に見られても困らない内容だけ」を基準にしましょう。
- 新人向けの手引きや書類の見本を集めた
- 7つの項目で、A4・1〜2枚の下書きを作った
- 実際に使う人たちで読み合わせて直した
- 個人情報・パスワード・金額が入っていないか確かめた
- 全員が使える置き場所を決め、更新日を書いた
- AIの下書きを直したら、前提メモに1行足す決まりにした
この記事で紹介した機能の名前や使い方は、AIサービスの更新によって変わることがあります。最新の情報は各サービスの公式の案内をご確認ください。
よくある質問
前提メモは、どのAIでも使えますか?
会話の最初に貼る方法なら、どのAIでも使えます。同じ仕事を何度も頼む場合は、プロジェクトなどの「あらかじめ読ませておく」機能を使うと、貼る手間もなくなります。
前提メモが長くなりすぎてしまいます。
会社全体の決まりはA4・1〜2枚に絞り、「報告書の書き方」「見積の説明」など仕事ごとの細かい決まりは、別のメモに分けるのがおすすめです。必要な仕事のときだけ、追加で渡します。
誰が前提メモを管理すればよいですか?
総務や、AIをよく使う人など、担当者を1人決めるのがおすすめです。直したい点は誰でも出せるようにし、担当者が月に1回まとめて更新すると、最新版がばらばらになりません。
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