活用事例2026年10月15日

FAXの注文書入力を、AIで月40時間から12時間に。取引先ごとに様式がバラバラでも大丈夫だった理由

FAXで届いた注文書をスマホで撮影し、AIが受注一覧の表に整理する流れのイラスト
会社
A設備工業/地方都市の電気・空調設備工事会社
規模
従業員15名(現場10名・事務2名)
困りごと
取引先から届くFAX・紙の注文書を、事務担当者が1件ずつ手で入力していた
対象の書類
注文書発注書見積依頼書
使ったもの
スマートフォン、AI「Claude(クロード)」、いつものExcel

困っていたこと

  • 注文書の入力に毎月約40時間
  • 数量や品番の打ち間違い
  • 事務担当者1人に仕事が集中

やったこと

  • スマホで撮ってAIに送るだけ
  • AIが品名・数量・納期を表に
  • 人は確認と登録だけ

変わったこと

  • 入力時間が月約12時間に
  • 年約84万円分の時間が浮く
  • 空いた時間で見積と電話対応

なぜ注文書の入力に時間がかかっていたのか

A設備工業には、元請の建設会社、資材の商社、地元の工務店などから、毎日20枚ほどの注文書がFAXで届きます。事務担当者がそれを見ながら、品名・数量・納期・現場名を1件ずつExcelの受注一覧に打ち込んでいました。

表形式、箇条書き、手書きと、取引先ごとに様式がばらばらな注文書のイラスト
取引先ごとに様式がバラバラ。手書きのものも混ざる

専用の読み取りソフトを入れることも考えましたが、取引先ごとに様式が違い、手書きの注文書もあるため、「設定が大変そう」「費用に見合うか分からない」と見送っていました。

時間がかかる1枚あたり入力と見直しで約6分。月に約40時間
打ち間違い数量や品番のミスが、出荷や請求のやり直しにつながる
1人に集中担当者が休むと入力が止まり、月末は残業続き

AIを使った新しい流れ(5ステップ)

新しいシステムは入れず、スマホとAIだけで流れを変えました。ポイントは、AIに「打ち込み」を任せ、人は「確認」に専念することです。

  1. FAXが届く今までどおり
  2. スマホで撮る数枚まとめてOK
  3. AIに送る決まった頼み方で
  4. 表ができる品名・数量・納期
  5. 確認して登録Excelに貼り付け
注文書の山を前に、手入力に追われる事務担当者のイラスト
これまで1枚ずつ見ながら手で入力。月末は残業。
AIが作った表を確認するだけになった事務担当者のイラスト
AI導入後AIが作った表を見て、おかしなところだけ直す。

AIへの頼み方の例

毎回同じ頼み方をすることで、結果がそろいます。A設備工業では、次の文章を紙に印刷してパソコンの横に貼っておき、注文書の写真と一緒に送るようにしました。

AIへの頼み方(例) 添付した注文書の写真から、次の項目を表にしてください。 ・取引先名 ・現場名 ・品名 ・型番 ・数量 ・単位 ・納期 ルール ・読み取れない文字や自信のない数字は「?」にして、表の下に理由を書いてください ・手書きの数字は、0と6、1と7の読み違いに特に注意してください ・最後に、Excelに貼り付けられる形(タブ区切り)でも出してください
ここがポイント

「自信がない所は?にして」と頼んでおくのがコツです。AIが無理に推測せず、人が見るべき場所がはっきりするので、確認の時間がぐっと短くなります。

どれくらい時間が減ったか

1日20枚、月20日として試算すると、入力と見直しにかかる時間は次のように変わります。

項目これまでAI導入後
1枚あたりの時間約6分約1.8分
1か月の時間(400枚)約40時間約12時間
人件費に換算(時給2,500円)月 約10万円月 約3万円
浮く時間・金額月 約28時間/年 約84万円分

AIの利用料(法人向けプランで1人あたり月数千円程度)を差し引いても、十分に元が取れる計算です。時間は当社の試算で、注文書の枚数や書き方によって変わります。

浮いた時間は、人を減らすためではなく、後回しになっていた見積の作成や、取引先からの電話にすぐ折り返す時間に使っています。担当者が休んだ日も、ほかの社員がスマホで撮って送れば入力が止まらなくなりました。

うまくいったコツと注意点

うまくいったコツ

注意したいこと

注文書以外にも広げられること

同じやり方は、ほかの書類にもそのまま使えます。A設備工業では次に、現場の写真から作業報告書を作る使い方を試す予定です。

現場写真をAIに渡して作業報告書を作るイラスト
現場の写真とメモから、報告書の下書きを作る

よくある質問

手書きの注文書でも読み取れますか?

読みやすい字であれば、多くの場合読み取れます。ただし崩れた字や数字の0と6など、読み違いが起きることがあるため、最後は必ず人が確認する前提で使います。

新しいシステムを買う必要はありますか?

必要ありません。スマホとAIの法人向けプラン(1人あたり月数千円程度)があれば始められます。今お使いのExcelや販売管理ソフトはそのまま使えます。

取引先の情報をAIに入れても大丈夫ですか?

法人向けプランでは、入力した内容がAIの学習に使われない設定になっています。そのうえで、入れてよい情報と入れない情報を社内ルールで決めてから使うことをおすすめします。

※本記事の会社名・数値は、導入の流れを説明するためのモデルケースです。

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